元留学エージェントのつぶやきブログ

元旅行業、かつ留学エージェントも経験した私のつぶやき

中学卒業後に海外の高校へ進学を考えるあなたへ

高校留学に関する基礎知識をさらっとご案内

先に書いておきますが、『元』留学エージェントのボヤキなので、ちょっと表現キッツイかもしれません、何卒ご容赦を。

毎年、夏休み前くらいから、中学3年生のみなさん、それからその保護者のお父さんお母さんから、海外高校留学したいって問合せが来てました。

うち半分、よりちょっと多いくらい?は親子でしっかり進路について話をして、留学する本人がどうしても海外で勉強したい、将来の夢があるんだ!というものなんですが…

残り半分については保護者が子供の成績や将来のために検討中の場合だったり、逆に親にはまだ話してないけどどうしても僕/私は海外に行くんです!という内容。

高校留学、特に卒業を目的とする進学留学は留学する本人、保護者、それから留学エージェントと現地サポート、さらに学校スタッフや先生方、すべてが一致団結して進めないと、まず「卒業」できません。

この点を踏まえて、以下、高校留学するには何が必要か、ちょっと説明させてもらいます。

高校留学するには、まず何から始めたら良い?

国際化の進む日本で、海外の高校への進学、という選択肢が一般的になりましたよね。海外へ高校留学するには何をまず考えたら良いでしょうか。 英語で授業を受けるので英語の勉強が必要なのは当然として、その他、出願するのに必要なものは?入学テストも英語?どんな教科の勉強するの?なんて考えたりするはず。

高校留学するにはまず、最も大切なこととして「ちゃんと中学校に通うこと」、これが大事です。

いやいやそんなん当たり前でしょうが、と思うかもしれませんが、「ちゃんと」、というのは授業をきっちり受けて宿題も期限までにもれなく提出、良い成績を維持することも含まれますよ?

日本の高校受験は多くが5教科での入試、なのでその5教科に注力しがち

でも海外の高校に進学するには、その他の保健体育や音楽、美術などの他の教科の成績も良いものである必要があるんですよ。

GPA、Grade Point Averageと呼ばれる成績平均点、これが海外進学では非常に大切です。

英語や数学、理科、社会に国語だけできても、保険や音楽の成績が低ければ、GPAがは下がる、ということを覚えておいて損はないです。

いざ海外の高校に出願、その前に

勉強を頑張ってきたので、じゃあアメリカの高校に行きたい!いやいや歴史あるイギリスの高校の方がいいかも、と行き先を考える場合。

今挙げた、アメリカやイギリスは公立高校への進学が基本的に出来ません。私立高校なら進学できますけど、めっちゃくちゃお金かかります。

海外の公立高校で日本人が卒業資格まで取得できるのはカナダ、ニュージーランドとオーストラリア。あ、ついでにフィジーって選択肢が出ていいますが、元留学エージェントだからいいます、絶対止めたんがいいです。

10月とか11月ですかね、フィジーが安いからと進学させた保護者から「フィジーは英語じゃなくて現地の言葉で授業してる」「英語が身につくと言われたのに全く身についてない」と連絡をもらい、なんとかオーストラリアやニュージーランド編入できないか、と相談されたことが多々あります。

10代の大切な時間を無駄にして、ほぼゼロの状態からカナダやオセアニアへ転校するってお金だけじゃなく、貴重な時間を無駄にせざるをえません。あくまで個人の意見ですが、私がまだ留学エージェントをやっていたなら、絶対に事情を説明し、何より留学する本人のためにカナダやオセアニアを最初から勧めますね。

はい、ちょっと話がそれましたが、カナダやニュージーランド、オーストラリアに高校進学留学する場合。カナダなら地域別の教育委員会へ、オーストラリアは州政府、ニュージーランドは各高校へ直接、出願します。

カナダから説明すると、例としてバンクーバーに高校留学したいなら、バンクーバー周辺各地域の教育委員会に出願、その地域内の高校を「リクエスト」として出すことは可能。学校ごとの特徴はもちろんですが、各教育委員会別に特徴もあったりするので、慎重に選ばなければいけませんね。

オーストラリアも同じ、希望する地域の州政府に出願、「リクエスト」を伝え、GPAをふまえておすすめの学校を選んでくれます。カナダもそうですが、進学に注力している地域や学校だと、入学させてもらうためには高いGPAが必要となります。

最後のニュージーランドは公立校でも直接、自分が行きたいと思う学校へ出願します。こちらもやはりGPAや語学力が低いと入学許可が出してもらえません。

どこに進むにしても、GPAが大事、って伝わりましたでしょうか。

もう1つ、大切なこと、出席率

海外の高校へ出願するには、GPAを知るための成績書を英訳したものが必要です。この成績書には学校の出席率も出てます。

ぶっちゃけていいますが、いわゆる引きこもり、不登校の場合、なかなか受け入れてもらえないことが多いです。

たとえば大きな怪我をして出席率が低い、などは別ですよ?ちゃんと診断書を貰えば学校側も納得しますから。

でも、人間関係、いじめなどで学校に行けなくなってしまった場合、現地の学校としても「入学後に同じことが起こるのでは」「心の病のケアまでは学校ではできない」などのことから、入学許可を出してもらえないんですね。

ニュージーランドの高校の中には、それでも一生懸命、学校に通いたいという生徒さんの気持ちを尊重して受け入れてくれるところもあります。

ですが、そうした高校には同じ状況で進学した生徒も少なくなく、心機一転、ちゃんと通う子もいれば、やはり日本にいたときと状況が変わらないということもあります。

生徒さんの中には深い心の傷を隠して渡航、がんばってはみたものの途中で発作が起きる、なんてことも。

引きこもりだから、不登校だから海外なんて無理、って話じゃないんですよ、コレ?

一番大切なのは留学する本人が強い気持ちで海外進学を目指しているか。また保護者も留学エージェントに包み隠すことなく状況を説明し、場合によっては途中退学・帰国もしなければならない覚悟を持つこと。

そして何より、依頼する留学エージェントに出来る限り早めに相談し、準備万端の状態で送り出してあげること、これが大事、ということなんです。

子供のことだから、と保護者が常識を逸した、無茶な注文をするのも高校留学の特徴だと私は思っています(実際、いろいろなケースを見てきました)。

でも出来ないことは出来ない、現地ルールがある、そして何より高校留学するには、「海外で高校生は大人として扱われる」=自己責任、になることをよーく理解しておかなければ、「卒業資格」を得ることは正直、不可能です。

高校留学するにはいつ出願すれば良い?

最後に実際、海外の高校へ出願するタイミングがいつなのか、知っておきましょうか。

カナダは9月から新学期がスタートします。日本の中学校の卒業式は3月初旬。

「んーと、じゃあ3か月くらい前?に申込みで良い?」かというと、完全アウト。

カナダの公立高校はだいたい5月締切。「あ、じゃあ5月までね」、はいこれもアウト。

人気の教育委員会は早ければ前年の12月に締切になることもあるんですよ。じゃあカナダ高校留学するには、いつまでに出願すればいいのよ!って話になると、できれば夏休み明けには留学エージェントでの手続きをはじめるべき、でしょうね。

カナダに限らず、高校出願はあれこれ書類を用意する必要があり、さらに学生ビザ申請などを考えると早いに越したことはないですから。

続いてオーストラリア、ニュージーランドの場合。こちらは1月末か2月頭から新年度がスタート。「え?じゃあ日本の中学校で卒業式出れないじゃん」と思うかもしれませんがご心配なく。

卒業式を終えて、第二学期である5月上旬からの参加も可能。ただし、卒業目的であるなら、冬休み、12月に入ったら現地入して語学学校で高校準備コースに参加、1学期からの高校新学期に合わせるのがベター。

だって一学期もあれば、高校生ってナカコグループ作っちゃうじゃないですか。早めに越したことはないですよ。

で、出願のタイミングですが、オーストラリア、ニュージーランドの場合もやはり夏休み明けには手続きを開始すべき、ですね。

補足ですが、オーストラリアの高校に進学目的で留学する場合、「オーストラリアのカリキュラムに参加できるだけの語学力」を証明する必要があります。

出願先によっては英検でもOKくれますが、英検の語学力じゃちょっと、というよりかなり心配なので、早めに語学学校に通い、高校参加資格であるHSPHigh School Prepartionコースの修了証をゲットした方が良いですよ。

高校留学するには、そのまとめ

海外の高校進学をする場合、語学力はね、そりゃ若いですから自然と身につき、日常会話は問題ないレベルになるんですよ。

ただ、海外高校進学をするのに知っておかなきゃいけないのは、語学力のその先、「高校卒業資格」取得の難しさ。

日本の高校は私もそうでしたが、気分次第でサボったりしつつ、テストで及第点だけ取っとけば、高校側も落第出したくないですから進級、卒業させてくれるじゃないですか。

でも海外の高校ってそんな甘くないんですよ、むしろ日本で言えば大学と同じ。

自分で学びたい単位、それから卒業に必要な必須単位を選択、授業に出て積極的な参加をしつつ、レポートもビシッと提出、さらにテストでもハイスコアを取らなければならない。

中学生が思い描く、海外で現地の高校生と楽しくランララーンなんてほんの一部で、実際は日本の高校生の数倍勉強しなきゃいけません。

これは私が一瞬だけ在籍した留学エージェントの、とあるカウンセラーの話(実話)です。

アメリカの某有名私立高校に1人の生徒を送り出したそのカウンセラー、卒業に必要な単位であるとか、高校生活のあり方などろくに説明しなかったようで、当の本人は単位が足りず卒業資格がもらえないことに。

良識あるカウンセラーであれば、勉強の進み具合や単位取得状況などを現地サポートスタッフ、または学校スタッフさんと協力しつつ、卒業に向け動きます。

ですが、そのカウンセラー、話を聞いていたら「行きたい学校は選んであげた。あとは自己責任。卒業できない?じゃあ日本で高校卒業資格認定かな。」なんてフザケた案内をしてました。

アメリカの私立でとある分野で非常に有名な学校だったため、1年間の留学費用は本人のお小遣い含め、1,000万円近く。3年でいったいくら使ったかは推して知るべし、ちょっといい家建つレベルです。

その上、留学エージェントとして手続き費用やサポート費用もガッツリ取っていたんですね。

私がそこを辞めた大きな理由の一つになりましたが、高校留学のエージェント、それからカウンセラー選びは本当に、ほんっとうに慎重に行ってください。

高校留学は語学留学と違い、留学エージェントが必須だと私は考えています(ちなみに自分で手続きしたもののうまくいかなかったから途中でお願い!と投げられても受けてくれない留学エージェントのが多いですよ)。

「留学」というものをよく理解していて、あなたのためになるアドバイスを、たとえネガティブな情報でも率直に伝えてくれる、そんなカウンセラーを選ぶようにしましょうね(別におじさんおばさんレベルでなくても、若いのに勉強熱心なエージェントもいます!)。